中村 誠一工を始めたのは、2005年のことです。当時は東京の建築設計事務所に勤めていて、図面の上では美しい空間を描けても、実際に手で何かを作ったことがほとんどないことが、ずっと引っかかっていました。週末に通い始めた木工教室で、初めてカンナをかけたとき、削りくずの匂いと、板が滑らかになっていく感触に、何かが決まった気がしました。その感覚を忘れられなくて、二年後に設計事務所を辞めました。